塩沢織の紹介
三国街道塩沢宿は悠久千年の織物の郷塩沢つむぎ記念館は「織の文化」の発信拠点!
雪と民話の国奥越後に悠久千年の昔より伝わる「塩沢の織物」。伝統技術とその文化の魅力を一堂に公開。伝統工芸の新たなる可能性をカタチにした「織の文化の新拠点」は、創造と感動に満ちあふれています。
括り・摺り込みによる蚊絣と呼ばれている細かい十字絣や亀甲絣によって構成された絣模様には、独特の上品さと落ち着きがあります。
塩沢織の歴史
歴史に育まれた確かな技と品質
奈良時代の天平勝宝年間(西暦756年)に建立された東大寺の正倉院に、当時この地域で織られた良質の麻織物が「庸布(税の対象物)」として納められ、今でも宝物として保存されています。
このことから、今から1200年以前より塩沢地方において上質の麻織物「越後上布」が生産されていた事が推測できます。
この麻織物「越後上布」の技術を、今からおよそ350年前の江戸時代の寛文年間(1661年~72年)の頃に絹織物に応用して創られたものが「本塩沢(塩沢お召)」です。文献上からも元治元年(1864年)に書かれた「覚」の中に運上品としての「絹縮」の記載があることから、塩沢地方において絹糸に強撚糸を用いた上質の絹の「皺(シボ)織物」が生産されていた事がわかります。
また、江戸時代の明和年間(西暦1764年~71年)の頃には、真綿糸を使用した「塩沢紬」が創られました。
更に、明治時代になりこれらの絹織物を夏物として改良して生まれたものが「夏塩沢」です。
まさに塩沢の織物の親に当たるものが「越後上布」で、その子に当たるものが「本塩沢」と「塩沢紬」で、その孫に当たるものが「夏塩沢」です。
塩沢の織物の指定・登録
越後上布 | 昭和30年(1955)5月に国の重要無形文化財指定 平成21年9月に国連世界教育文化科学機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録 |
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塩沢紬 | 昭和50年(1975)2月に国の伝統的工芸品指定 |
本塩沢 | 昭和51年(1976)12月に国の伝統的工芸品指定 |
夏塩沢 | 国の伝統的工芸品指定申請検討中 |
塩沢織の原料(素材)
- 越後上布
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イラクサ科の多年草「苧麻(ちょま)」の靭皮繊維である「青苧(あおそ)」を手積みした「本製糸」に手括りによる絣模様を施し、地機(居座機)を使って機織りし、湯揉み・足踏みによって仕上げを行った生地を雪晒しによって漂泊する。麻特有の涼味をお楽しみ下さい。
- 塩沢紬
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たて糸は常繭からつくった生糸と玉繭からつくった玉糸を、よこ糸は真綿から紡いだ真綿糸を使用しています。
真綿のふんわり感をお楽しみ下さい。 - 本塩沢
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たて糸とよこ糸は甘撚りの「生糸」を、更によこ糸には生糸の強撚糸「地緯糸(ジヌキイト)」を使用しています。
本塩沢だけの皺(シボ)をご体感下さい。 - 夏塩沢
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たて糸とよこ糸ともに生糸・玉糸の強撚糸「駒糸」を使用しています。
独特のシャリ感をご堪能下さい。